top of page

排泄ケアのヒント > 排尿障害(下部尿路機能障害)のケア

排尿障害(下部尿路機能障害)のケア

排尿トラブル(下部尿路機能障害)は、尿が漏れる(失禁)、尿が出にくい(排泄困難)、排尿の回数が多い(頻尿)の3タイプに大別されます。

症状のタイプ別に、対処方法を見てみましょう。

タイプ1:尿の漏れ(失禁)

咳やくしゃみで漏れる

「腹圧性尿失禁」の主な症状

  • 咳やくしゃみ、スポーツなどで腹圧がかかることをすると漏れる

  • 骨盤内で子宮、膀胱が下がり、時には瘤(コブ)のように臓器が陰部より出ている感じがある

対応策

軽症では、骨盤底筋訓練で効果がある。

我慢できずに漏れる

「切迫性尿失禁」の主な症状

  • トイレに行きたいと感じたら漏れてしまう

  • 尿意を感じてから少しは我慢できるのだが、下着をおろしているうちに漏れてしまう

  • 冷たい水を使ったときや水の音を聞いた時に、急に尿意を感じる

対応策

薬剤使用で70%の効果がある。尿を溜める膀胱訓練も有効である。

出にくいので漏れる

「溢流性尿失禁」の主な症状

  • 排尿開始までに時間がかかる

  • 排尿に勢いがなく、ちょろちょろとしか出ない

  • 残尿感がある。夜もトイレが近かったり、漏れることもある

  • 尿意がはっきりしない

  • お腹に力を入れないと尿が出ない

  • 尿が出にくいし、漏れることもある

対応策

薬剤による治療、残尿の除去、男性の場合前立腺の治療などの方法がある。

通常の時間内にトイレに到達できずに漏れる

「運動機能障害性尿失禁」の主な症状

  • トイレまで間に合わない
    (うまく動作が出来ない、生活環境の問題)

  • トイレが汚れて困る

  • 洋服が汚れる

  • 転倒の危険があって怖い

  • 臭い

  • 夜のおむつ交換が大変

  • 寝たきりだが良いおむつはないか

対応策

リハビリテーション、介護力、用具の活用、環境整備などの方法がある。

トイレを認知できずに漏れる

「認知機能障害性尿失禁」の主な症状

  • トイレと違う場所で排尿する

  • トイレがわからないようだ

  • トイレに誘うと怒る

  • トイレが汚れて困る

  • 尿意がはっきりしないようだ

  • 見ると汚れているが本人は気がつかない

  • お漏らしをみとめない

  • おむつをとってしまう

  • 臭い

対応策

介護力、用具の活用、環境整備などの方法がある。

​タイプ2:尿が出にくい(排尿困難)

「神経因性膀胱」の主な症状

神経の障害で出ない

​タイプ3:排尿の回数が多い(頻尿)

昼間の回数が多い、夜間睡眠中に1回以上起きなければならない

「頻尿」の主な症状

  • トイレが近い

  • 夜になったらトイレが近く、眠れなくて困る

  • 緊張したり、外出するとトイレが近くなる

対応策

薬剤使用が効果的。尿を溜める膀胱訓練も有効である。

bottom of page