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​よくある相談内容

排泄にまつわるトラブル・お悩みと、この対応例をご紹介します。

(本ページの情報提供は、診療行為ではありません。ご参考事例として閲覧ください。)

高齢者・要介護者

高齢者・要介護者のお悩み

 脳卒中で倒れた70代の父の在宅介護をしています。自力ではほとんどベッド上から動けないため、テープ式紙おむつと尿とりパッドを使用しているのですが、横から尿が漏れてくることが多く、不快だろうと気になります。着替えも大変です。どんなことが原因でしょうか。

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尿もれ

​排泄介助

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 まず考えられることとして、おむつのサイズと装着方法が適切かということです。テープ式紙おむつと一口にいっても各メーカーにより製品特徴は違います。お使いの製品の商品パッケージを見て使用方法を確認してください。サイズも各メーカーによって同じ表示サイズでも大きさに違いがあります。テープ式紙おむつは、ヒップのサイズを計測して選択することが大切です。

 商品として売られている物をすぐに購入する前に、まず商品のパッケージに記載してあるメーカーの相談窓口に電話して、サンプル・試供品を送ってもらい、試用してみてください。それにより、状況にあった製品を選ぶことが出来ます。

 次に、排尿量が製品の吸収量を上回れば横漏れの原因となります。1回排尿量の目安を知るために、おむつの重量チェックをしてみたらいかがでしょう。方法として使用前の紙おむつをビニール袋に入れ計量します(キッチンスケールで測れます)。できれば1回排尿後に交換し、同じビニール袋に入れ計量します。その重さの差が排尿量です。介護者の都合ですぐに交換できない場合は、数回分の吸収量のある製品を選択します。基本的に吸収量の多い製品は価格も高くなります。

 一日の中で、介護力のある時間とそうでない時間によって、尿とりパッドを使い分けることも必要でしょう。

 テープ式紙おむつを当てるとき、足回りにすき間があると、横漏れしやすくなります。また、通気性のある尿とりパッドや消臭機能がある紙おむつもあるので、製品を上手に選択することで、不快感の軽減は出来るでしょう。

紙おむつの特徴にあった使い方は、メーカーの相談窓口に電話で確認すると、具体的に確認できます。安心して介護を続けるためにも、相談してみてはいかがでしょう。

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尿もれ

尿臭

 舅(72歳)の介護をしている姑(69歳)が、どうも少し尿が漏れているようで、部屋のにおいが気になります。義母を傷つけずに尿漏れを確かめるにはどうしたらいいでしょう。

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 尿漏れの事実を直接突きつけることがためらわれるのでしたら、まずご自分のこととして、お話を切り出したらいかがでしょう。

 女性の場合、出産や更年期によって尿失禁が発生する可能性は非常に多いのです。例えば「買い物に行ってたくさん買い込んで帰宅した時、尿が漏れてしまったのだがこんな症状は自分だけなのでしょうか」など、お母様に問い掛けてみることもよいと思います。

 体を動かすことで漏れがあるようでしたら、腹圧性の尿失禁が考えられますから、ご一緒に骨盤底筋訓練の方法を理解し、やってみてはいかがでしょうか。あなたご自身には尿失禁はないとしても、今後の予防にもなるのでぜひ行ってみてください。

 また、お姑さんご自身から切迫性尿失禁の症状である「トイレが最近近くなって、間に合わないこともある」などの言葉が聞かれるようでしたら、「膀胱炎でもそのような症状が出ることがあるらしいし、治療によっての改善も望めるようなことを聞いた」というように、医療機関への受診を勧めてみてはいかがでしょうか。

尿臭の問題ですが、ご本人が漏れていることを自覚されているようでしたら、漏れ量にあわせた排泄ケア用品の選択によってある程度解決が可能です。漏れても大丈夫という安心感につながるでしょう。下着に付けて使う尿失禁専用パッドや、外から見ても目立たない超薄型紙パンツ等、複数のメーカーが販売していますので、サンプルを取り寄せて、「お試しに届いたから、長時間の外出時に試しましょう」等と言って、試用してはいかがでしょうか。

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排泄介助

夜間の対応

 脳梗塞で入院していた80代の母が退院します。麻痺はほとんどなくベッドからの動きは少し遅いものの自分で起き上がることは出来ます。自宅のトイレはベッドのある部屋から少し離れています。昼間はトイレの近い居間で過ごさせますが、夜は病院で使用していたようなポータブルトイレを使おうと思います。できれば母が一人で利用できるポータブルトイレを選ぶ時のポイントを教えてください。

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 ほとんど麻痺がない状態であれば、ベッド柵を握って立つことが安定して出来るようでしたら、ほとんどのポータブルトイレが使用できます。ご本人ひとりで移乗を繰り返す場合は、ポータブルトイレ本体の安定性も必要になりますので、少し重量のあるものの方が安心です。

 ポータブルトイレへ移動し、自分で立ち上がる時ポータブルトイレの足下に「蹴込み」と呼ばれる足を引くスペースがないと立ち上がりにくくなります。また常時、その場所に設置しておく可能性が高いようであれば、お部屋に置いていて違和感がない家具調のものの方がよいでしょう。

 床の汚染防止にトイレの下に敷物を使う場合は、しっかりとした滑り止め加工が施されていて、移動時につまずきの原因にならないよう広範囲に敷くことが大切です。

 ポータブルトイレは、特定福祉用具は指定を受けた事業者から購入した場合に限り、保険給付の対象となります。介護保険を利用して、1割(または2割)で購入できますので、ケアマネジャーに相談し、ポータブルトイレが紹介してある福祉用具カタログを入手しましょう。また、ケアマネジャーに紹介を依頼し、福祉用具専門相談員に、機種の選定や利用方法の指導をしてもらいましょう。

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尿もれ

夜間頻尿

 病院に勤務している看護師です。78歳の男性患者の夜間頻尿の対応についての相談です。75歳の奥様と二人暮らしの自宅へ退院予定です。夜間4~5回排尿があり、尿失禁でシーツを汚染することもあります。トイレまでの介助歩行が必要な方なので、奥様の睡眠を妨げるため、自宅退院が困難となる可能性があります。なにか良い方法がありますか。

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自宅への退院に向け、主治医とともに、以下を検討してはいかがでしょうか。

排尿日誌を、できれば3日間~7日間つけて、夜間頻尿か?夜間多尿か?

 水分の取り方も含めてアセスメントする。    

②内服薬が影響していないか?(降圧剤、利尿剤、その他)

③泌尿器科へのコンサルト(治療できるものは治療する)

④就寝前にトイレ誘導をする。

⑤水分摂取量・時間の検討をする。

⑥用具の工夫(ポータブルトイレ、尿器の工夫、おむつの選定)

 具体的な方法を知りたい場合は、ご説明いたします。

成人期

成人期のお悩み

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尿もれ

 39歳女性です。初産で4,100gの男の子を普通分娩で出産した後から尿漏れが続いています。妊娠後半から尿漏れがあったのですが、産んだ後は治ると思っていましたが治りません。このままずっと続くのでしょうか?心配です。

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妊娠がきっかけで骨盤底筋に負荷がかかり尿漏れを起こす人がいます。特にお子さんが胎内で大きく育った場合は、起こしやすくなります。出産後骨盤が緩んでいる時期に授乳やおむつ交換など、お子さんを抱っこして立ったり座ったりする動作が頻繁であると骨盤底筋に負荷がかかって漏れやすくなります。根気よく骨盤底筋訓練を行っていくと治る可能性が充分にあります。長く続いて不安があるようでしたら、出産された産婦人科の医師へご相談ください。

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排便困難

残便感

 50歳女性です。毎朝排便はあるのですが、出終わるまでに30分くらいかかります。残った感じもして不快です。便の硬さは普通で下痢や硬い便が出ることはありません。出勤してからは特に便意を催すことはありません。

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 便が充分に出し切れないという自覚症状(残便感)がある場合、実際に便が残っている場合と、そうでない場合があります。おそらく腹筋と背筋・骨盤底筋が緩んでくる年齢なので、うまく腹圧がかけられなくて直腸まで下りてきている便を排出するのに時間がかかっていると思われます。

 腹筋・背筋をつける運動と骨盤底筋訓練を行ってみてください。また、排便時の姿勢はつま先を床に付けて軽く前傾姿勢になると、便が排出しやすくなります。あまり長い時間便座に座っていると肛門周囲が下垂してきて、それが刺激となって実際には残便はないのに残便感を感じる場合があります。できるだけ便座には長く腰掛けない方が良いでしょう。直腸肛門付近に病気(直腸瘤や痔疾など)が隠れている場合がありますので、一度受診をしてみるのもよいでしょう。

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便漏れ

 56歳男性です。恥ずかしい話ですが、排便後にきれいに拭き取ったはずなのに、しばらくしてトイレに行ってみると下着に便のシミがついていたり、肛門周囲がジメジメした感じがします。最近仕事のストレスがあり、食事も不規則です。コンビニ弁当で済ませる事が多いです。便は下痢まではいきませんが、軟らかい方です。何かよいおむつなどはありますか?

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 便がゆるい場合は、便の性状をコントロールすることが最優先です。食生活の中で食物繊維やビフィズス菌・乳酸菌を取り入れる工夫をしたり、食事から摂るのが難しいようであれば、医療機関を受診して整腸剤などの処方を受けると良いでしょう。それと並行して、骨盤底筋訓練を行ってみましょう。また、ストレスが原因で便がゆるくなる場合もありますので、ストレスを発散できるような行動やリラクゼーションを行ってみましょう。落ち着くまでは、軽度便失禁用パッドが市販されていますので、使用してみると良いでしょう。

小児期

小児期のお悩み

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夜尿症

 10歳の息子のことで相談です。まだおねしょが治っていません。来年は宿泊研修があるのでこのままでは行かせることができません。どうしたらよいでしょうか。

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 その年齢までおねしょ(夜尿症)が続くお子さんはいます。先天的な病気がある場合もありますので、一度泌尿器科で検査をしてみると良いでしょう。夜尿症のケアについて大切なことは、「夜尿症はありふれた子供の症状である」と親がおおらかに思うことです。本人が「治そう」という意欲があることも大切です。規則正しい生活をして、寝る前の水分を控えること、塩分を控えること、お風呂に入るなどして寝ている間の冷えから守ること、夜中に無理にトイレに起こさないようにしましょう。 

 宿泊研修までに治らなかった場合は、薄手の紙パンツを夜間だけ使用すること、担任の先生に協力を得て友達に気づかれないように取り換えられる環境を作ってもらうこと、何よりも本人へ宿泊研修を楽しめるように働きかけることが良い対応だと思います。内服薬で治療できる場合もありますので、一度泌尿器科へ相談してみてください。

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尿漏れ

日中の対応

 12歳の娘のことで相談します。3年生までおねしょをしていましたが、今は夜中に自分で起きてトイレに行っているため、もうおねしょはありません。何かに熱中している場合は平気なのに、おしっこに行きたいと思うと、少し漏れてしまうと言います。漏れるのが嫌なので、トイレに行きたいと思う前に尿意がなくてもトイレに行っているようで、かなりの回数行くようです。どう対処したらいいでしょう。生理はまだ始まっていません。

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 切迫性尿失禁の可能性が高いと思います。3年生までおねしょをしていたということは、膀胱が不安定だった可能性があります。何かに熱中している時には尿意を感じなくても、行きたいと思ったとたんに排尿抑制がはずれてしまうのでしょう。尿検査を受けて、問題がなければ、医師から処方される薬剤を少しの間服用し、尿をがまんする訓練(膀胱訓練)をすることをお勧めします。一度、泌尿器科を受診して指導を受けてください。その時に排尿日誌をもっていくことをお勧めします。

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